デイム・オリヴィア・メアリー・デ・ハヴィランド(Dame Olivia Mary de Havilland, DBE、[əˈlɪviə də ˈhævɪlənd]、1916年7月1日 - 2020年7月26日)は、アメリカ合衆国の女優。女優としてのキャリア初期には清純な娘役を演じることが多かったが、キャリア後期には存在感のある重厚な役柄を演じている。デ・ハヴィランドはイギリス人の両親の間に日本で生まれた。妹のジョーン・フォンテインも日本の生まれで、デ・ハヴィランドと同じく女優の道に進んでいる。デ・ハヴィランドの家系は、イギリス王室の祖にあたるノルマンディー公ギヨーム2世(ウィリアム1世)と共にノルマン・コンクエストに加わったノルマン人のド・アヴィル (de Haville) にさかのぼる。1919年に一家は日本を離れて故国イギリスへと向かったが、旅の途中で姉妹が病にかかったため滞在中のカリフォルニアに、母子だけがそのまま移住した。
デ・ハヴィランドが出演した映画のなかでもっとも有名な作品として『風と共に去りぬ』(1939年)が挙げられる。映画作品ではエロール・フリンの相手役を演じることが多く、『ロビンフッドの冒険』(1938年)、『無法者の群 (en:Dodge City)』(1939年)、『カンサス騎兵隊』(1940年)、『壮烈第七騎兵隊』(1941年)など、8作品で共演している。
デ・ハヴィランドは『遥かなる我が子』(1946年)と『女相続人』(1949年)で、アカデミー主演女優賞を2度受賞している。妹のジョーン・フォンテインも『断崖』(1941年)でアカデミー主演女優賞を受賞しており、2013年現在時点でアカデミー主演賞を獲得した唯一の兄弟姉妹となっている。アカデミー賞のほかにデ・ハヴィランドは『蛇の穴』(1948年)でナショナル・ボード・オブ・レビュー主演女優賞、ニューヨーク映画批評家協会賞主演女優賞、ナストロ・ダルジェント賞最優秀外国女優賞、ヴェネツィア国際映画祭女優賞を受賞している。また、ゴールデングローブ賞では『女相続人』(1949年)で主演女優賞(ドラマ部門)を、『アナスタシア/光・ゆらめいて』(1986年)で助演女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)をそれぞれ受賞している。1960年には、それまでの映画界への貢献が讃えられてハリウッド・ウォーク・オブ・フェームにプレートが設置された。2008年には当時のアメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュから、芸術分野の顕彰としてはアメリカ最高位の国家芸術メダル (en:National Medal of Arts) が贈られている。2017年6月、史上最高齢の101歳で大英帝国勲章(DBE)を受章した。2020年7月26日、パリの自宅で亡くなった。『風と共に去りぬ』の主要な出演者のうち、上映当時成人していた最後の存命者であった(子役を含むとボー・ウィルクス役のミッキー・カーンが2022年11月20日まで存命で、カーンの死去により同作の主要な出演者が全員この世を去る形となった)。
フィルモグラフィ[]
- ブラウンの怪投手 - ドリー・スティーヴンス
- 頑張れキャグニー - ルシール・ジャクソン
- 真夏の夜の夢 - ハーミア
- 海賊ブラッド - アラベラ・ビショップ
- 風雲児アドヴァース - アンジェラ・ジョゼッペ
- 進め龍騎兵 - エルザ・キャンベル
- Call It a Day - キャサリーン・"キャス"・ヒルトン
- 恋愛合戦 - マルシア・ウエスト
- The Great Garrick - ガーメイン・デ・ラ・コルベ
- 黄金の罠 - セレーナ・"スプラット"・フェリス
- ロビンフッドの冒険 - マリアン・フィッツウォーター
- 結婚スクラム - ロリ・ディリングウェル
- Hard to Get (1938 film) - マルガリータ・リチャーズ
- 太平洋の翼/海の荒鷲 - イレーネ・デイル
- 無法者の群 - アビー・アーヴィング
- 女王エリザベス - レディ・ペネロープ・グレイ
- 風と共に去りぬ(MGM配給) - メラニー・ウィルクス
- My Love Came Back - アメリア・コーネル
- カンサス騎兵隊 - キット・カーソン・ホリディ
- いちごブロンド - エイミー・リンド
- 男性 - エレーン・ターナー
- 追憶の女 - ロイ・ティンバーレイク
- Thank Your Lucky Stars - デ・ハヴィランド自身
- カナリヤ姫 - マリア王女 / メアリー・ウィリアムス
- まごころ - シャーロット・ブロンテ
- スウォーム - モーリーン・シャスター校長